春が地球をやさしく揺らしていく
2026年3月 啓蟄
いつもブログを見てくださり、誠にありがとうございます。
少しずつ春の気配が感じられる頃となりました。
朝はまだひんやりしていますが、
陽射しの中にどこか柔らかさが混じり、
外の光の色がきいろい温かさを見せています。
気づけば陽もずいぶん長くなり
夕方のひとときを楽しむ、春の余裕が感じられます。
季節は「啓蟄(けいちつ)」を迎えました。
冬のあいだ土の中でじっとしていた虫たちが、
暖かさに誘われて動き始める頃です。
畑に出て、観察をしていると、土の下では小さな命が一斉に動き始めているのがわかります。
ミミズが土を押し分け、虫たちが目を覚まし、植物の根はゆっくりと水を吸い上げていきます。春になる前の季節の脈動が始まっています。

春のあたたかさが自然を揺らしています。
実は揺れる大きな船の中にいるようなものなんです。
船の居心地に比べれば、それはもうこの上なくいい場所ですが、
あたたかさ、冷たさを繰り返す季節の中を移ろいながら
今どこにいるのかしっかり立ち位置を確保しています。
揺れる船の中では種なんて蒔けやしないでしょう。
季節の移ろいの中で、種まきのタイミングを見計らうのは
大げさに言うとそんな感じなのです。
鶏たちは本当に素直ですから、
季節の変化にしっかりと合わせてきます。
鶏舎をのびのびと 動く様子は目に見えて勢いづいてきました。
自然が動く、地面が動く、身体も動く、鶏が動く。
生命の活動がのびやかになる頃の卵は春の調子を作るための貴重な栄養源です。
春のリズムの中で生まれる卵はまさに春の恵み。
春が近づくと、食べ物にも少しずつ変化が現れます。
ふきのとうや菜の花、よもぎなど
ほろ苦い春の味覚が店先に並び始めます。
こうした春の食べ物は、冬のあいだ体に溜まったものを
外へ出す働きがあるとも言われています。
味噌汁に春野菜を加えたり
卵を落とした温かいスープをいただいたりすると
体の内側に元気の火が灯ったような感じになるでしょう。
陽射しのある日には外へ出て深呼吸をするのがおすすめです。
ちょっとだけ目を閉じて周囲の自然と自分の身体が同調するのが
感じられたらなおいいですね。
虫たちが土の中から目を覚ますように、
私たちの体や心にも「啓蟄」が訪れているのかもしれません。
冬のあいだ静かに蓄えてきた力が、これから少しずつ外へと動き出していきます。
春の花が一斉に咲く前には、必ずこうした静かな脈動の時間があります。
自然が目覚めるように、私たちの中にある力も
これからゆっくりと花開いていく。
啓蟄は、そんな春の入口をそっと知らせてくれる節気なのだと思います。
まだ朝晩の寒さは残りますが、自然は確かに次の季節へ向かっています。
どうぞ温かい食事と休息を大切にしながら、
ゆっくりと春を迎えてください。
皆さまの日々が健やかでありますように。
また次のお便りでお会いできるのを楽しみにしております。

たおファーム