次の春の太陽が恋しくて
2024年9月秋分
毎度たおファームを応援していただき誠にありがとうございます。
秋分を迎え、日の出る時間がだんだんと短くなっていくこの頃は、とても切ない、言いようのない気分になります。
外で仕事をするようになって長いですが、この時期は日の長さに応じて、少しずつじっくりと気分が変化していくようで、日光と人とが切っても切れない関係なんだと感じています。
太陽光が皮膚を通り抜けて、体内の水分子に衝突したとき、真に水分補給が起きるという研究もあるくらい、不思議な関係があります。
さて、秋は太陽のエネルギーを蓄えた農作物の実りの季節です。
もうすでに春の太陽が恋しくなっている人もいるかも知れませんが、まずは、美味しいものをしっかり食べて、冬至を乗り越えようじゃありませんか。
冬至を越えたら、春まで一直線です。
冬至を境に身体の内側からこみ上げてくる、暖かいものが感じられるので不思議ですね。
その時を待ちわびながら、次の3か月を前向きに過ごすのも秋の醍醐味かも知れません。
ところで、本来鶏たちは、日照時間が短くなるのに応じて、産卵を減らしていきます。
たおファームでは、鶏の産卵が続くよう、日照時間を補うために明りをつけています。
農園の経営のためにそうしていますが、自然の営みとは少し外れるようにも思われて悩ましい点です。
気にしだすときりがないですが、自然と人とがあまり離れすぎてしまわないように気を付けるのも、いい卵づくりには大事なことなので、見極めが難しいですね。
世の中には色んな人がいます。
中には人工物が自然を超越することを真剣に考えている人もいます。
あるいは人間の力だけで何でもできると考えている人もいます。
あまり何も気にしていない人もいます。
けど、いまだに鶏がいないと卵を手にすることができません。
プロテインは卵の代わりになりません。
人にできるのは、自然を理解することなんだと思います。
自然を色んな風に理解していくことに本当の多様性があるような気がします。
それは、狩猟採集をやっていたころから変わらない、大事なことのように感じます。
日中の暑さもだんだんと穏やかになっています。
鶏たちの様子もだんだんと落ち着いてきました。
新しい米ぬかも鶏のエサに入り始めています。
夏の暑さが和らいで、情緒が豊かになり始める秋の卵、どうぞお楽しみください。
たおファーム